奈良東大寺SHIZENNECTION

自身の作品でもって日々創造し続けるアーティストは、日本の文化をどう捉えているのか。
お一人ずつ言葉にしていただいた内容をシェアしていきます。

シリーズ【3】は、
「 focus 」@華厳宗大本山 東大寺 大仏殿
2019年4月5日〜10日作品奉納された山口 桂志郎先生
https://www.facebook.com/yamaguchikeishiro
のお言葉です。

キーワードは、◾️更新◾️

伝統文化は、本来作り手と受け手がその思想や制度、技術を主体的に受け継ぐものです。
伝統文化保護という名の元、その多くは形骸化しています。しかしそれはある意味資本主義の原理に流されず作家の技術や芸術性の追求ができる良い環境であるともいえます。
この、形骸化してしまっている部分の活性化と芸術性を上手く合致させながら、伝統文化を更新する必要があると思います。

(自身作品制作に日本らしさを意識するか)

自分の作品に、日本では縄文時代から使われている漆という素材を扱っています。
その普遍的な素材を温度や湿度によって日々変化する木という素材に使用することで、そこに内包される素材と伝統の記憶を閉じ込める事ができるのではないかと思っています。