2025年2月9日〜3月1日
■主催:軽井沢KAIR実行委員会
■協力:アートホテルDOGLEG軽井沢
■参加アーティスト:伊山桂 / 林 銘君
■企画プロデュース:SHIZENNECTION


林 銘君さんの作品
林 銘君さんアーティストコメント
カラン
では、黒い球体をカタツムリの殻として表現し、それを個の移動の軌跡や生存の経験と結びつけている。移動とは空間の変化であり、それに伴い帰属意識が再構築される。人は流動の中で適応や同一性を模索し、殻はその心理的プロセスの可視化された形として現れる。本作には、軽井沢の自然要素(葉や松ぼっくりなど)を取り入れ、身体・自然・空間の相互作用について考察している。
中国から東京、そして軽井沢へと移る中で、異なる環境は私の身体感覚に影響を与えた。東京では、都市の密度や生活のリズム、そしてプライベート空間の境界が、私の感覚を部屋の中に閉じ込め、窓の外の都市を遠く抽象的なものにしてしまう。一方、軽井沢での短期間の滞在は、私に人と自然の関係について改めて考えさせた。ここでは、自然はもはや単なる風景ではなく、身体感覚の一部となる。木々や光、風の音が交差し、内と外の境界が曖味になっていく。
この経験は単なる地理的移動に留まらず、感情、アイデンティティの認識、文化的適応、さらには権力構造との関係性にも関わってくる。個人は移動を通じて、空間や社会、文化の流れを経験し、身体はその記憶を蓄積すると同時に、自己を変容させる媒介にもなる。
本作を通じて、私はこの流動性を視覚言語として表現し、移動が個人の知覚や帰属意識、そして自己認識をいかに形作るのかを探求している。






伊山桂さんの作品
アーティストコメント
軽井沢にきて部屋で過ごすなかで設備のテーブルに惹かれました。テーブルを見て過ごすなかで、テーブルクロスを作ってかけようと思い制作をはじめました。ちょうど普段の制作時にでる半端な紙を持ち歩いていたのでそれを繋げて作りました。
繋げていると、だんだんと領地というか、敷地のような印象を作品から感じました。それから、宿泊地の周りを散歩しているときに感じた、それぞれの敷地の雰囲気の差を思い出しました。
どこにでも領地というのはありますが、軽井沢は別荘地というのもあり余計にその敷地に対する所有感を強く感じたことが印象的で、自分が面白く感じていたことをそのとき知りました。
紙同士を縫い終わり、一枚の大きなテーブルクロスが出来てから、少しずつそこに絵を描きはじめました。雲や植物、山の上にはえていた松のモチーフが、敷地を感じる縫い目を跨いだり、収まっているところにまた刺激を受けながら制作しました。
この作品はテーブルクロスとして使用しながら今後も少しずつ制作していけたらと思います。



